山姥日記

富士山とお向かいに棲むオバちゃん

7月の読書記録

読んだ本の数:6
読んだページ数:1789


人外人外感想
朝日新聞の書評に「最初の内を我慢すれば」とあったが、確かに。一か月半を掛けて、やっと読了。こんな経験は初めてだ。難しい。本当に難しい。読み終えた自分を褒めたい。けれども、ヒトデナシの「人外」のはずなのにニンゲンの一生そのものではないか。思考するということは生きとし生けるものそのものかもしれない。最後の「終末」に心が塞がれるようだが、希望そのものと言ってもよいような気がする。一介の山のオバちゃんが哲学的な本を読むことの難しさを思い知らされた。が、たぶん、面白かったのだろうと思う。読了したことに満足しよう。
読了日:07月17日 著者:松浦 寿輝


夢見る帝国図書館夢見る帝国図書館感想
まず、なんといっても題名がいい。それにカバーもいい(ただこのカバーの雰囲気は何かの本とよく似ているが思い出せない)3年くらい前、息子と上野に行った。上野の高架下の横を通った時、ここがあの高架下かと思った。「あの」とは、戦後のどさくさの頃の写真で見た「あの」だ。小学生の頃、東京文化会館で戦後初の京劇の来日公演を観た。何を言ってるのかまるで分らない中国語の美しい抑揚と衣装の美しさしか覚えてはいないけど、そこが嘗ては戦後のバラックだったことを知ったのは母の言葉からだった。母と子の関係は難しい。(コメント欄へ)
読了日:07月23日 著者:中島 京子

 

続き。血が繋がっているからこそ難しい。しかも戦後のどさくさの時代、「きわこ」さんのような子供は多かったのかもしれない。ワタシは戦後生まれなので、物心ついたころには上野にバラックはなかった(渋谷にはあったけど)。後半生を自分のために生きることの素晴らしさ。どんなふうに育ってどんな風な結婚生活だったとしても、自らの意志を貫いた「きわこ」さんは幸せだろう。ワタシには無理だし、したくもないけど。わたしくらいの年代の人には、郷愁にも似た感情を沸々と起こさせてくれる本ではないだろうか。

 

またもや続き。「朝日新聞書評シリーズ」第二巻。前回の「人外」に一か月半もかかったので、今月は冊数は捗らないが、」濃密な読書月だったと思う。しかもね、朝日新聞で読んですぐ「買ってください」と夫に言い、Amazonで注文したのだけれど、Amazonのくせに翌日には来ないという連絡。しかもプレミア付き六千なんぼという高価なものまであるぞと夫は驚愕状態。兎にも角にも、手に入ったわけだが蔵書が増えた。娘に叱られないように隠しておこう。

 


鬼門の将軍鬼門の将軍感想
少し遠ざかっていたけど、またもや高田崇史のラビリンスに迷い込むことにした。前読二冊(「人外)と「夢見る帝国図書館」)がワタシとしては考え込む内容だったので、読みなれた文章と内容はお口直しのような気分だ。けれど、平将門がお口直しになるとは思わなかったわ。タタルが漣のお師匠さんなのかなぁと、期待してしまう。さて、これから「カンナ」を読むことにしよう。ワクワクする。
読了日:07月25日 著者:高田 崇史

 


カンナ 飛鳥の光臨 (講談社ノベルス)カンナ 飛鳥の光臨 (講談社ノベルス)感想
とうとうシリーズものに、また手を出した。高田崇史地獄がやってくる。楽しい。
読了日:07月26日 著者:高田 崇史

 

 

 


悩む人悩む人感想
これも「朝日新聞書評シリーズ」三冊目。作者の人生相談への回答は、投書した人はガックリして寝込まなかっただろうかと心配になるほどの代物だ。でも、とても前向きになれるかもしれない。また、この本を読み終わった時に哲学が分かったような気になるけど、ワタシごときに分かるようなものでもないので騙されているような気がしてならない。あとがきの最後の一行に胸を突かれる。が、ここまで読んできてこれを言う?と・・・。
読了日:07月31日 著者:髙橋秀実

 


カンナ 天草の神兵 (講談社ノベルス)カンナ 天草の神兵 (講談社ノベルス)感想
あらまぁ、どっちつかずだわねぇ。さらりと読む。サラリしか感想がないのもどうかとも思うけど、ちょっと飽きてきたかな高田君。
読了日:07月31日 著者:高田 崇史

読書メーター

 

 

 

本年、というか、改元後というか

特筆すべきは「人外」

 

昨年の「隅田川暮色」も純文学で、美しい日本語を読む心地よさに酔った。

が、「人外」は違う。

二度と読みたくないような、そうでないような・・・

読後の何とも言えない気分は続いている。

 

 

「夢見る帝国図書館」は我が家の蔵書になったので、

今はトーチャンが読んでいる。

ワタシも、また読みたい。読めるよね、自分の本だもん。

 

 

「悩む人」いやはや何とも、恐妻家のお悩み相談員ってどうなのよ。

 

 

以下、高田崇史まつり

今日(8月1日)三冊読んだ。

忙しいんです、ワタシ。孫が来るので支度にテンヤワンヤ。

孫たちを栃木に迎えに行かなくてはならない。遠いのにね。

それなのに、読み続けた、立ったまま。

 

でも、明日

図書館に借りに行く。

この「カンナ」シリーズはあと三冊。