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5月18日
朝起きて(それほど早くはない)、窓を開けると
蜜柑の花の香りが家の中を通り過ぎてゆく。
40年前、
亡くなった姑が送ってくれたサンキストのグレープフルーツの中に
芽をかすかに出した種があって
それを少し育ててから、工房の南側に植えた。
その後、工房の南側に家を建てたので
そのグレープフルーツの種のことは、
トーチャンもワタシも、脳裏から消えていたのは確かだ。
あるとき
この仔を日の当たるところへ移してやらねばと思ってから
19年後・・・
実が生った。
確かにグレープフルーツの種だったのだが
その実はグレープフルーツではなかった・・・。
よく見れば、普通の夏ミカンよりはグレープフルーツの色に近いし
皮もごつごつとした感じではなく、のっぺりとした平安貴族風ではある。
しかも、お味が洋風ですらある、と思う。
その元グレープフルーツの樹は二階家の屋根より高くなり
洗濯物も干せなくなったので、上の方を伐った。
今年は2月ごろから5月初めまで
朝食のお伴がこの仔で、最後の仔の時は
「ありがとうね」と言ってから皮をむいたのだ。
我が家の夫も子供たちも、オレンジにしろグレープフルーツににしろ
自分たちで皮をむいて食べることはないので
皮をむき、袋から出し、きれいにさらに並べていないと満足げではない。
この点だけは、夫と子供の教育を間違えたと反省している。
いろんなイヤなニュースが流れてくるけど
蜜柑の花の香りはひと時、安らぎを運んできてくれている。