3月13日
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3月16日
3月17日
3月18日
小夜更けて
外から咳き込む声が聞こえてきた。
小次郎だ
お隣のクニヨちゃんは言う
「柴犬は花粉症になる」
クニヨちゃんのお母さんは『桜』と言う名の柴犬と暮らしていて
桜は小次郎より年上だそうだ。
で、小次郎の咳なのだけど
これがドスがきいていて、
いやいや、ドスがきいてるのではなく
とある貧乏長屋
夜なべをして傘貼りをしている浪人の隣の住居で
かなりのジイサマが咳き込んで、かわいい孫娘がつぶやく
「じいちゃん・・・」
その娘は明日の朝、新吉原に売られてゆくのであるが・・・・・・・
と、妄想を掻き立てるほどの小次郎の咳。
目を掻く姿も哀れに思う(時々、目薬を差してはいるが)。
今年の花粉は比較的少ないが
なんといっても、裏山は手入れのされていない桧林だもの。
ニンゲンの薬を飲ませてもいいのだろうかと逡巡している。
(ウチのオヤジが隠し持っていたSNICERSを、今、ワタシにくれた)
桜のつぼみが膨らんでいる。
ああ、爛漫の春がやってくるなぁ。