山姥日記

富士山とお向かいに棲むオバちゃん

8月の読書記録

読んだ本の数:15
読んだページ数:4747


風変りな魚たちへの挽歌風変りな魚たちへの挽歌感想
何故、この作家に早く出会わなかったんだろう。理由は明白で、ホラーやミステリばっかり読んでるからだ。反省している。美しい話だった。よく理解できる。同じような時代を生きていたからかしらね。大きな事件があるわけでもなく、静かに話は進んでいく。四篇とも、繋がっているようでいてそうでもないような。あらこの人死んじゃったんじゃなかったっけと思うけど、違うお話なんだと納得する。根底に流れている望郷と孤独が心地よい。鬼籍に入られてしまったことは残念でたまらない。
読了日:08月02日 著者:稲葉 真弓

 


崖の館 佐々木丸美コレクション崖の館 佐々木丸美コレクション感想
ううむ…。面白かったんだろうと思う。一日中読んでいたから。けれども、犯人はすぐにわかる。歪んでいるなぁというのが本全体への感想。若くして逝った人にはかなわない。残った人たちはその人を美化し続けるから。三部作らしいけど、続きを読むか否かは今は分からない。
読了日:08月04日 著者:佐々木 丸美

 


青炎の剣士 (紐結びの魔道師3) (紐結びの魔道師 3)青炎の剣士 (紐結びの魔道師3) (紐結びの魔道師 3)感想
「夜の写本師」から始まって、ここにたどり着いた。満足満足。大ハッピーエンドで嬉しい。そして寂しい。
読了日:08月04日 著者:乾石 智子

 

 


アンの青春 (文春文庫)アンの青春 (文春文庫)感想
青春キラキラ物とか、恋愛物って読まないなワタシ。と、読んでいる最中に思い出した。だから、居心地が悪いんだ。ご本が悪いのではない、嗜好の問題だから。アンの成長の、何と真っ直ぐな事か。読んでいて、遥か昔の自分の青春時代を思い出してみると、いやはやなんとも、屈折していたではないか。マシュー(亡くなってはいるが)とマリラの愛に包まれて育ったとは言え、アンは孤児だった。屈折していてもおかしくないのに真っ直ぐな心を持っている。空想の世界に逃げ込む力を持っていたからだろう。
読了日:08月05日 著者:L.M. モンゴメリ

 


アンの愛情 (文春文庫―L・M・モンゴメリの本)アンの愛情 (文春文庫―L・M・モンゴメリの本)感想
アンの物語も、もう終わるのかなぁと思ったワタシが悪い。次の「風柳荘のアン」以降はまだ翻訳されていないとの事。どうする!気を取り直して「アンの愛情」。なんて直截な題名か。心を打つのはアンが生家を訪れるところ。みなし子じゃなかったとアンが思うところは涙なくして読めない。この時代、どんなに高学歴でも結婚をすることが最上とされているのか。(ワタシは大学で夫を捕まえたが)どうしても男尊女卑が付いて回るような気がしてならない「オールド・ミス」は今では死語ではあるけれど、つい最近まで使われてたしなぁ。
読了日:08月08日 著者:L.M. モンゴメリ

 


今昔百鬼拾遺 鬼 (講談社タイガ)今昔百鬼拾遺 鬼 (講談社タイガ)感想
図書館で、この本を受け取った時「薄っ!」と口走った。どうしたの?京極夏彦・・・。何日かかるかなぁと期待したのに、あっという間に読了。少し物足りないかな。京極堂が出てこないから回りくどくはないけど、探偵が出てこないから面倒臭くないけど、やっぱり少し物足りないかな。半ばくらいから犯人分かっちゃったし。
読了日:08月09日 著者:京極 夏彦

 


今昔百鬼拾遺 河童 (角川文庫)今昔百鬼拾遺 河童 (角川文庫)感想
懐かしい登場人物が出てきてうれしいのだけど、途中で引っかかるところがあった。「マグロは高価」と言うところ。ワタシが小さいとき(京極夏彦センセイよりワタシは少し年長)マグロは今よりずっと安価だったように記憶しているけど、まぁ、些末な事だからいいか。最後がね、哀しい。河童は神様なんだよね、きっと。
読了日:08月10日 著者:京極 夏彦

 


半島へ半島へ感想
二十四節気に寄り添う暮らしは、都会なら気が付かないのかもしれない。我が家のある里山だと二十四節気を知らなくとも、体感でわかる。空の色、大気の匂い、生き物の気配などなど(特筆すべきは富士山の色だろう)。この本にも書いてあるが、おしゃれな店などないし公共交通機関さえない暮らしは贅沢だと友人に言われている。そんな暮らし方を選び取ることが出来るって幸せかもしれない。読んでいて、森の匂いが盛夏のころとは違うことに気づく。都会を捨てることを選んだ主人公の内面が静かなところが嬉しかった。
読了日:08月12日 著者:稲葉 真弓

 


今昔百鬼拾遺 天狗 (新潮文庫)今昔百鬼拾遺 天狗 (新潮文庫)感想
読む本がなくなって、その辺にある本をパラパラめくっていたけど、とうとう、一冊だけ取りに図書館へ行く。田舎は図書館まで遠いのだ。愚痴はいろいろあるけれど致し方ない。で、この本。まぁ、そうよねって感じかな。「夏は京極夏彦」と言いながらこのほかにも過去に読んだ本を借りてきた。Amazonprimeで「残穢」を少し見て、怖いから止めた。そうそう、確か浅田次郎も同じような土地で天狗を描いた本があったなぁ、あっちの方が面白かったなぁと思いながらこの本を読了した。面白くなかったわけではない、念のため。
読了日:08月17日 著者:京極 夏彦

 


鬼談 (幽BOOKS)鬼談 (幽BOOKS)感想
「鬼棲」が怖かった。なんだかありそうで怖い。ただ文字にを読んでるのに怖いって想像力の賜物だから感性は鈍っていないという事にしておこう。何が怖いって、最後のお話を読んでいる横で夫が小野不由美の「残穢」をAmazonprimeで見ていたので、怖さ倍増、お得感。
読了日:08月19日 著者:京極 夏彦

 


虚談 (怪BOOKS 幽BOOKS)虚談 (怪BOOKS 幽BOOKS)感想
「・・・」が読後の感想。
読了日:08月22日 著者:京極 夏彦

 

 

 


いちねんかんいちねんかん感想
このシリーズを読むと心が安定するから不思議。偉大なるマンネリズムかも。マンネリでもいい。このマンネリがいい。それでも、若旦那は成長していく。最後におとっつあんの怒る様子を想像できる終わり方が、なんともかんとも、いいではないか。あ~~、面白かった。
読了日:08月23日 著者:畠中 恵

 


四畳半タイムマシンブルース四畳半タイムマシンブルース感想
リモコンだもんなぁ・・・(笑)リモコンだけど、やっぱりモリミーいいよね。
読了日:08月24日 著者:森見 登美彦

 

 

 


双頭の蜥蜴双頭の蜥蜴感想
「夜の写本師」シリーズとは全く違っているかと言えば、そうではない。勧善懲悪は変わっていない。なので、嬉しい。いつかきっと、本来の自分を取り戻せると信じさせてくれる作者にエールを送りたい。
読了日:08月26日 著者:乾石 智子

 


ただいま神様当番ただいま神様当番感想
なんというか。どう言ったらよいのか分からない。さらっと読めるし、難しい言葉もない。込み入ったものでもない。捏ね繰り回されてもいない。だけど、読み終わってホンワカする。「わし、神様」この笑っちゃう台詞に心をつかまれる。
読了日:08月31日 著者:青山 美智子

読書メーター

 

 

 

 

 

特筆する書籍には出会わなかった。

けれども、稲葉真弓と言う作家の本に出会ったことはうれしい。

うれしいが、彼女はすでに故人になっていて

もっと早くに出会っていればとも思う。

 

暑い8月で、コロナは収まらず

遠くにいる孫たちに会いにも行けない状況で

本を読むことだけが楽しみだった。

 

本を読んでさえいれば

いろいろなイヤな事を考えずに済む。

 

 

で、

イヤなことは考えずに済むが

俳句の成績は見事に最悪。笑っちゃうしか身の処し方はなかった。

まぁいいか。仕事じゃないし・・・。

 

 

満月から少し欠けた月を見ながら

 

少し欠けたお月様のほうが好きかもしれないと思った。

満月はきれいだ。すごく明るい。

 

 

けれど、

今宵のように少し欠けていると

安堵するのだ。

 

不思議ね。